図案とステッチの個性 超絶技巧展を見て 数年前、日本の超絶技巧展に伺った際、 刺繍作品に関しては、作品を取り扱っている問屋と下絵画家のお名前だけで 刺繍家は、無銘、とされていたのにショックを受けました。 私が日々感じますのは 同じ図案でも縫い手によって全く違う表現になるということです。 楽繍会ではリアルにそれを感じます。 同じ譜面でも演奏者によって違う音楽になるように、 振付師とダンサー、戯曲と俳優・・・然りです。 刺繍の価値は美しいステッチだけでは無いと思います。 たしかに修練を積んだ職人、プロの方々の美しい刺繍は素敵です。 でも糸は、絵の具や粘土に勝るとも劣らない力を持っています。 糸の霊力、魔力、激しさ、躍動、 私はそんなダイナミズムの塊のような 刺繍の世界がもっともっと広がってほしい。 無銘だなんてありえない! |
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