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Ｇａｌｌｅｒｙ

星命ー赤涙の祈り

2011年制作（1680×450

震災のあと、針の動きが止まってしまい、急に涙が溢れてきたり動悸がして胸が苦しくなってしまったり、
持病が悪化したり、あんなに大好きだった刺繍も、一針の歩みが進まなくなってしまいました。
同じような方、たくさんいらっしゃったと思います。
そんなある日、テレビから流れてきたひとこと。　　震災の日のツイッタ―の特集。
たくさんのツイッタ―の中の、ひとつのつぶやきに私は救われました。

「暗すぎて今まで見たことがないくらい星が綺麗だよ」

アナウンサーが読み上げるその言葉を聞いたとたん、涙が止まらなくなって止まらなくて止まらなくて
そのまま、赤い糸をもって刺し始めた作品でした。

芥川龍之介原作「蜘蛛の糸」をモチーフにした作品を、いつか作りたいなとは思っていましたが、
その時、そのツイッタ―を聞いた瞬間、赤い蜘蛛の糸にすがる天女のイメージが具体的に膨らんでしまったのです。
一気に縫い上げた作品です。

暗ければ暗いほど輝きを増す星の光　闇は光の反対ではなく、光は闇と共に在る。
闇の中に光はあり、闇を感じることのできないところにはどこにも光はない。

星は私たちにいろんなことを暗示してくれています。　

私にとっては忘れる事のできない大きな節目となった作品です。