小澤征爾さん！ホンダのスクーターでヨーロッパ武者修行。
大学時代、音楽科にも友人がたくさんいたので
彼らの話す小澤征爾さんはいつもキラキラと輝いていました。

最初の奥様が 三井不動産社長江戸英雄氏のご長女の京子さんで、
友人もレッスンをうけていました。
その江戸京子さんもつい最近亡くなられたと聞きました。

オーケストラのリハーサル中、まだ幼かった征良さんと征悦さんが来ると
どんな時も中断して抱きしめていらしたこと。
ヨーロッパのツアー中、母校の成城学園の女性が差し入れてくれた、ちらし寿司を、
あぐらをかいてパクパクとほおばり、
「寿司はこうやって食うもんだぜ」と豪快だったこと。
サントリーホールの楽屋で奥さまとご一緒する機会があり、
本当に美しくてドキドキしたこと。

ちなみに私の母は、貧乏学生の私の下宿の大掃除のため上京している時に、
私の忘れ物を届けに桐朋のキャンパスに来ることがあり、
急いでかけつけたものの、教室の場所が分からず困っていたら、
親切なおじさんが声をかけてくださり、案内して下さり、
母の真っ白な割烹着姿にいたく感激され、
お会いしたこともない私の事まで褒めてくださり、
結構長い時間お話ししたのよ、素敵な方だったわ、先生かしら、感激したわ、
良い学校だわねと話していたのですが、
あとでその方が小澤征爾さんの師匠の齋藤秀雄さんと知り、2重にびっくり。

このエピソードを語る時、母の目もキラキラと輝いていました。

そうなんです、小澤征爾さんを語る時、みんなキラキラと輝くのです。
あの頃の友人たち、ピアノやバイオリンに夢中だった彼らもきっと寂しいだろうなあ。

小澤征爾さん、本当に本当にありがとうございました。

謹んで心からのご冥福をお祈りいたします。